人気ブログランキング | 話題のタグを見る

4th down gamble

「時を盗む者」

 先頃ニンテンドースイッチに配信された「刑事J.B.ハロルドの事件簿 マーダー・クラブ」をプレイ&クリア。このシリーズは昔MSXで「D.C.コネクション」とかやったけど、第一作に当たる本作は未プレイやったんですね。たしかこのゲームの存在を知ったのが中学生くらいの頃やったから、ほぼ三十年越しで念願の初プレイ。結果はまあ、良くも悪くも想像通りの内容で、昔懐かしのコマンド総当たりゲー以上のものではないんやけど、雰囲気はやっぱいい。藤堂龍之介のシリーズもそやったけど、リバーヒルソフトのミステリーADVってトリックとかフーダニット云々よりも徐々に明らかになる人間関係みたいなのがメインで、ガチの謎解き好きには消化不良を感じさせるところがあったように思う。反面世界観というか、雰囲気作りには突出したものがあって、昔のPCゲーはパッケージも大きかったから、捜査手帳類のオマケが充実してた記憶があるなぁ。wikiを見ると「D.C.コネクション」以降も地味にシリーズ展開してたみたいですね。

 メッセ離脱。めちゃくちゃ痛い。

トニイ・ヒラーマン「時を盗む者」
 悪魔が来りて笛を吹く話。このタイトルは、ものすごくおおざっぱにいうと“盗掘”を意味しており、この前読んだ「死者の舞踏場」と同じく、考古学ミステリーとしての側面も持っている。冒頭、のちに謎の失踪を遂げる人類学者の調査行がなかなかに不穏な雰囲気を漂わせており、探偵小説として読んでも上の部類に入る引きだと感じた。「死者の舞踏場」のときに感じた“アメリカの横溝正史”ふうな肌触りは本書にもあって、もう少し俗な展開なりけれんがあればいいなぁと思ったりするんですが、テーマ的にハメを外しにくいってのもあるのか、全体的には地味な作風ですね。
 肝心の展開部はいま読むとわりかしフツーで、本書は'88年に発表されとるんですが、当時の流行りの型のひとつという印象はくる。映像化されれば映えるタイプのお話かな(ロケーション的に)。

by nobody85 | 2017-08-15 02:35 | ミステリ | Comments(0)